旧約
新約
創世記
出エジプト記
レビ記
民数記
申命記
ヨシュア記
士師記
ルツ記
サムエル記 第一
サムエル記 第二
列王記 第一
列王記 第二
歴代誌 第一
歴代誌 第二
エズラ記
ネヘミヤ記
エステル記
ヨブ記
詩篇
箴言
伝道者の書
雅歌
イザヤ書
エレミヤ書
哀歌
エゼキエル書
ダニエル書
ホセア書
ヨエル書
アモス書
オバデヤ書
ヨナ書
ミカ書
ナホム書
ハバクク書
ゼパニヤ書
ハガイ書
ゼカリヤ書
マラキ書
マタイの福音書
マルコの福音書
ルカの福音書
ヨハネの福音書
使徒の働き
ローマ人への手紙
コリント人への手紙 第一
コリント人への手紙 第二
ガラテヤ人への手紙
エペソ人への手紙
ピリピ人への手紙
コロサイ人への手紙
テサロニケ人への手紙 第一
テサロニケ人への手紙 第二
テモテへの手紙 第一
テモテへの手紙 第二
テトスへの手紙
ピレモンへの手紙
ヘブル人への手紙
ヤコブの手紙
ペテロの手紙 第一
ペテロの手紙 第二
ヨハネの手紙 第一
ヨハネの手紙 第二
ヨハネの手紙 第三
ユダの手紙
ヨハネの黙示録
新改訳聖書
小
大
コピー
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
章
サムエル記 第一
1
サウルがペリシテ人討伐から帰って来たとき、ダビデが今、エン・ゲディの荒野にいるということが知らされた。
2
そこでサウルは、イスラエル全体から三千人の精鋭をえり抜いて、エエリムの岩の東に、ダビデとその部下を捜しに出かけた。
3
彼が、道ばたの羊の群れの囲い場に来たとき、そこにほら穴があったので、サウルは用をたすためにその中にはいった。そのとき、ダビデとその部下は、そのほら穴の奥のほうにすわっていた。
4
ダビデの部下はダビデに言った。「今こそ、主があなたに、『見よ。わたしはあなたの敵をあなたの手に渡す。彼をあなたのよいと思うようにせよ。』と言われた、その時です。」そこでダビデは立ち上がり、サウルの上着のすそを、こっそり切り取った。
5
こうして後、ダビデは、サウルの上着のすそを切り取ったことについて心を痛めた。
6
彼は部下に言った。「私が、主に逆らって、主に油そそがれた方、私の主君に対して、そのようなことをして、手を下すなど、主の前に絶対にできないことだ。彼は主に油そそがれた方だから。」
7
ダビデはこう言って部下を説き伏せ、彼らがサウルに襲いかかるのを許さなかった。サウルは、ほら穴から出て道を歩いて行った。
8
その後、ダビデもほら穴から出て行き、サウルのうしろから呼びかけ、「王よ。」と言った。サウルがうしろを振り向くと、ダビデは地にひれ伏して、礼をした。
9
そしてダビデはサウルに言った。「あなたはなぜ、『ダビデがあなたに害を加えようとしている。』と言う人のうわさを信じられるのですか。
10
実はきょう、いましがた、主があのほら穴で私の手にあなたをお渡しになったのを、あなたはご覧になったのです。ある者はあなたを殺そうと言ったのですが、私は、あなたを思って、『私の主君に手を下すまい。あの方は主に油そそがれた方だから。』と申しました。
11
わが父よ。どうか、私の手にあるあなたの上着のすそをよくご覧ください。私はあなたの上着のすそを切り取りましたが、あなたを殺しはしませんでした。それによって私に悪いこともそむきの罪もないことを、確かに認めてください。私はあなたに罪を犯さなかったのに、あなたは私のいのちを取ろうとつけねらっておられます。
12
どうか、主が、私とあなたの間をさばき、主が私の仇を、あなたに報いられますように。私はあなたを手にかけることはしません。
13
昔のことわざに、『悪は悪者から出る。』と言っているので、私はあなたを手にかけることはしません。
14
イスラエルの王はだれを追って出て来られたのですか。あなたはだれを追いかけておられるのですか。それは死んだ犬のあとを追い、一匹の蚤を追っておられるのにすぎません。
15
どうか主が、さばき人となり、私とあなたの間をさばき、私の訴えを取り上げて、これを弁護し、正しいさばきであなたの手から私を救ってくださいますように。」
16
ダビデがこのようにサウルに語り終えたとき、サウルは、「これはあなたの声なのか。わが子ダビデよ。」と言った。サウルは声をあげて泣いた。
17
そしてダビデに言った。「あなたは私より正しい。あなたは私に良くしてくれたのに、私はあなたに悪いしうちをした。
18
あなたが私に良いことをしていたことを、きょう、あなたは知らせてくれた。主が私をあなたの手に渡されたのに、私を殺さなかったからだ。
19
人が自分の敵を見つけたとき、無事にその敵を去らせるであろうか。あなたがきょう、私にしてくれた事の報いとして、主があなたに幸いを与えられるように。
20
あなたが必ず王になり、あなたの手によってイスラエル王国が確立することを、私は今、確かに知った。
21
さあ、主にかけて私に誓ってくれ。私のあとの私の子孫を断たず、私の名を私の父の家から根絶やしにしないことを。」
22
ダビデはこれをサウルに誓った。サウルは自分の家へ帰り、ダビデとその部下は要害へ上って行った。